民具BANKとは
「食料銀行」を意味する社会福祉活動フードバンクのように、
まだ使えるのに様々な理由で処分されてしまう民具を収集し、
活用していくことを目的とした活動です。
豊かな自然素材や手技で作られた民具には、その地域で暮らす人たちの自然や暮らしの知恵が詰まっています。自然との関わりや機械に頼らない手技を用いたものづくりが失われつつある今、それらが詰まった民具から私たちが学べることは沢山あります。しかし、民具を資料として保存するだけでは学びは限られてしまいます。地域に眠る民具を集め、それを手で触れ、道具として身体で使う。さらには分解して構造を学ぶなど、様々な方法ができるようになります。
民具の寿命を全うさせる
貴重な民具は地域の民家やその蔵に眠っています。現代の生活では必要とされなくなり、ただ時が過ぎ、朽ちていきます。幸運なものは資料館などで保管され、歴史や風土を物語る資料として大切に扱われていくでしょう。しかし、多くは忘れられ道具としての役目を全うすることなく寿命を終えてしまいます。そんな道具たちを見つけ出し、引き取ることを私たちは「民具救出」と呼び行っていきます。そして、道具として使う、あるいは活用してあげることが大切だと考えています。
今、民具を集めること
民具の使い方を知る人は10年もすればほとんどいなくなってしまうかもしれません。一度失われてしまうと取り戻すことは難しく、知る機会も無くなり、活用の可能性は少なくなっていきます。残された時間の少ない今、出来るだけ集めることで民具の暮らしの知恵を後世へと引き継いでいきたいと思います。
人々の手でつないでいく
民具BANKは亀岡の近隣にお住まいの人を中心にみなさんと民具から楽しく学び、次世代へとつないでいくことを目標としています。2021年度から身体0ベース運用法の安藤隆一郎の活動としてはじまり、ここまで民具の収集と小屋づくりのプロジェクトを行なってきました。本年度はこの活動に興味のある方と共に展開を進めていきたいと思います。随時参加を受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。
2024年度の活動予定
- 民具救出活動/これまでに収集した民具の撮影と分類を行います。
- 民具から新しい道具を作る/昨年に続き木の岐を調査し、道具づくりや「木の岐手帖」の出版を行います。
- 小屋づくりプロジェクト/活動拠点の小屋移築を通して、身近な素材を小屋に転用する実験を行います。
- 竹小屋づくりプロジェクト/タイ、アカ族の技法を用いた竹の小屋づくりを行います。
参加メンバー
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安藤隆一郎(あんどう・りゅういちろう)
染色家/身体0ベース運用法
1984年京都生まれ、京都在住。
スポーツや武道の経験や近年の子育てを通して運動と感覚の獲得について考察する。2016年より〈身体0ベース運用法〉を始動し、展覧会やワークショップを通して身体の見方を伝える。
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不破大介(ふわ・だいすけ)
身体0ベース運用法 一番弟子
京都市立芸術大学プロダクトデザイン修了京都市立芸術大学総合基礎実技非常勤講師2年目。
現代において凝り固まってしまった心をもみほぐし、柔らかくする方法として〈「わがまま」柔軟体操〉を提唱する
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安川雄基(やすかわ・ゆうき)
空間づくりとコトづくり/アトリエカフエ
1987年大阪府吹田市生まれ。近畿大学理工学部社会環境工学科卒業。京都芸術大学空間演出デザイン学科専任講師。
2年間の建築設計事務所勤務を経て、2011年アトリエカフエ設立。「空間づくりとコトづくり」をテーマに、建築設計・インテリアデザイン・展示構成・施工・家具製作などから、ワークショップ企画・まちづくり事業・コミュニティ施設のコーディネート業務まで、ハードとソフト行き来しながら活動。いろいろな技を持った人たちと協働しながら、小さなものから大きなものまでつくる日々を送っている。
2020年、京都府・亀岡市の農機具小屋をリサーチ・分析した共著『小屋の本 霧のまち亀岡からみる風景』を出版。 -
くめすけ(くめすけ)
新米百姓/しか谷ワンダービレッジスタッフ
自分の中で100個の仕事を作ってその組合せで1年間生活をする、まい百姓実験中の身。
お金になる仕事だけではなく趣味の延長、知識や技術が身につくもの、おもしろい仲間に出会えること、出費や時間を削減出来ることも仕事としてカウントしてます。生殺与奪の権を他人に委ねない生き方を広めるべくのんびり布教中。
本来百姓とは
100の仕事をする人→たくさんのことをする人→何でもする人のこと何でもじゃなくてもいいので出来ること、したいことの組合せで生きていけるモデルを作るべく活動開始してます!