現代生活の中で不要となった民具を救出収集し、身体、素材、手技、様々な視点で活用することを目的とする「民具BANK」は農機具小屋も民具と捉え、小屋づくりから地域の暮らしの中の素材や知恵を発見する取り組みをはじめました。そこで、小屋づくりに必要な視点を学ために3つのレクチャーを企画しました。
「日常や風景から見捨てられたものミクロな視点で見直す」美術家伊達伸明さんのレクチャー「素材の目利き」、「地域、人とつながりのある素材から建築をする」建築家伊藤暁さんのレクチャー「つながりを建てる」、「三者三様のセルフビルダーから人が持つ「住」への欲求を問い直す」美術家・セルフビルダーの田中一樹さんのツアー「住への欲求」。この3つのレクチャーは何気ない農風景に佇む建物界の小さな巨人「小屋」の見方を変えてくれることとも思います。
第一回目/伊達伸明-素材の目利き-
風景から見捨てられたものをミクロな視点で見直す。
- 講師:伊達伸明(美術家)
- 会場:KIRI CAFE
- 日程:2022年2月6日(日)
- 時間:レクチャー=13時~14時半/ツアー=15時~16時半
※ツアーは小屋づくり参加者のみ - 参加費:¥1,000+ワンドリンク注文
※亀岡市民・学生は¥500+ワンドリンク注文 - 定員:25名
レクチャー
伊達氏の波板収集における素材の観察、分類方法や「建築物ウクレレ化保存計画」の建物に耳を傾ける素材選びを通して伊達伸明氏独自の素材の目利き方法を学ぶスライドレクチャー。
ツアー
伊達氏と共に亀岡市曽我部にある農機具小屋を訪ね、レクチャーで学んだ波板収集方法を実践する野外ツアー。
※小屋プロジェクト参加者のみ対象
伊達伸明(だて・のぶあき)
美術家
1964年生まれ。京都市立芸術大学美術学部大学院工芸科修了。取り壊される建物をウクレレにして保存する「建築物ウクレレ化保存計画」のほか、街に点在する波板の撮影や各地で地域資源再発掘型の展覧会の企画監修活動に関わる。最近の展覧会(共同出品含む):亜炭香古学(2012~2015/せんだいメディアテーク)、アートと考古学(2016/京都文化博物館)、とりのゆめ(2017/神戸アートビレッジセンター)、しらべの細道シリーズ(2017~2020/東北リサーチとアートセンター)、ミカエルさん(2019~2020/崇仁小学校)など。砂連尾理氏との「とつとつダンス」では演奏・朗読・道具制作等を担当。著書に「建築物ウクレレ化保存計画2000.4~2004.3」(青幻舎)
第二回目/伊藤暁-つながりを建てる-
地域、人とつながりのある素材から建築すること
- 講師:伊藤暁(建築家)
- 会場:KIRI CAFE
- 日程:2022年2月20日(日)
- 時間:レクチャー/13時~14時半・座談会/15時~16時30分
- 参加費:¥1,500+ワンドリンク注文
※亀岡市民・学生は¥500+ワンドリンク注文 - 定員:25名
レクチャー
徳島県神山町の人々が集う「えんがわオフィス」や地域の山の丸太を建材とした「Week神山」。古い蔵の素材を再構築して設計した「筑西の家」など、伊藤氏がこれまで手がけてきた建物の話を通して、建てることと人や素材の繋がりについて考えます。
小屋座談会
「小屋の本」の著者メンバーを交え、伊藤氏と共にそれぞれが収集してきたおすすめの小屋を紹介する座談会。何気ない風景に佇む小さな巨人の魅力について楽しく掘り下げていきます。
ゲスト:小屋の本(辰巳雄基・アトリエカフエ・ヤマサキケイスケ)
伊藤暁(いとう・さとる)
建築家
1976年東京都生まれ。2002年横浜国立大学大学院修了。02〜06年aat+ヨコミゾマコト建築設計事務所。07年伊藤暁建築設計事務所設立。17年〜東洋大学准教授。2010年より徳島県の中山間地域、神山町にて地域活動と連動した建築設計活動に従事。古民家を改修した『えんがわオフィス(2013)』や町産の丸太材を使った宿泊施設『WEEK神山(2015)』などを手掛ける。2019年、築90年ほどの蔵を解体・移築して建設した『筑西の住宅(2016)』で住宅建築賞金賞受賞。建築の建つ場所やそこで育まれてきた人間の営み、その場所にある時間の流れや歴史などを拠り所に建築を設計することを目指している。
第三回目/田中一樹-住への権利と欲求-
三者三様のセルフビルダーから人が持つ「住」への権利と欲求を問い直す。
- 講師:田中一樹(美術家・セルフビルダー)
- 会場:滋賀県大津市比良
- 日程:2022年3月20日(日)
- 時間:ツアー/13時~17時
※小屋づくり参加メンバー限定企画
ツアー
滋賀県比良で20年以上もの歳月をかけて自らの家を作り上げた田中一樹氏。セルフビルダーでもあり、美術作家としても活躍する田中氏は留まることなく自らの創造力と技術注ぎ、今なお建物を作り続ける。しかし、比良には全く違うタイプのセルフビルダーがさらにいた。「あんたも凄いけど、他にも凄いやつがおるで」と知らされ田中氏が出会った「コンクリ山ー松田邸」。そして、「身の丈の家ー山本邸」。それぞれの考えをもとに作り上げられた家の魅力は三者三様である。田中氏の案内の元に3つのセルフビルド建築を巡るこのツアーは、私たち人間が本来持つ住に対する権利について考え、また欲求を再び燃やしてくれます。3人が築いた家を見れば「小屋なんか大したことない。自分でも作れる」と思うはずです。
田中一樹(たなか・かずき)
美術家
1947年に青森県生まれ、1955年に京都に移り住む。1969年より現代美術研究所を主宰する保地謹也に師事し絵画の指導を受け、1974年まで行動美術協会一般会員として油画部門入選する。1992年から大津市比良にセルフビルドでアトリエ建設はじめ、2006年概ね自力で完成させ、翌年京都市から転居する。2010年滋賀県大津市清陵高等学校卒業。2014年成安造形大学芸術学部デザインプロデュースコース卒業。近年の主な活動として滋賀県美展 立体部門(特撰・時事通信社賞/2021/滋賀県立美術館)、京展 立体部門(市長賞/2017/京都市美術館)など。その他の活動に「二人だけの劇場セザンヌ」「山小屋で」高林陽一監督の下、美術・装置を担当(2005/京都府立芸術文化会館)。第三回鳥人間コンテスト世界大会出場(飛行記録35メートル/1979)など活動は多岐にわたる。現在4月オープンめざし仮称バラックギャラリー奇朋亭を建設中
レクチャー申込方法
件名を「小屋レクチャー申込み」、本文に参加希望回・氏名・メールアドレス・電話番号を記載の上、mingu.bank@gmail.com宛にメールをお送りください。
アクセス
KIRI CAFE
〒621-0004 京都府亀岡市千歳町毘沙門向畑39番地
OPEN: 金・土・日 11:30–18:00(11月〜3月は17時まで)
TEL: 0771-20-8773
MAIL: kameokakiricafe@gmail.com
Facebook: @KIRICAFEkameoka
Instagram: @kiricafe
アクセス方法:
JR亀岡駅より〔京阪京都交通バス〕川東線F11 千代川駅前行「毘沙門」下車 徒歩2分
Google map 「KIRI Cafe」
※駐車場あり
ウェブサイト:
https://kiricafe.shopinfo.jp/